<脳>1章の補足

Q:脳って,とっても簡単で,面白いものなのですね。もっと教えてください。

A:脳の最も重要な部品の話はもう,完了しています。以後の話はゴミみたいなもの。

  それじゃあ東洋科学と西洋の認識の違いがめだつ,脳の部品の話をしましょうか。
  5つの主要部品のうちの橋と脊髄について,です。

【意識のかけ橋】

1)睡眠(夢)と目ざめの橋渡し 2)死と生の橋渡し


 橋(キョウ)の働きは「意識のON/OFF」の橋渡し で,上の2通りがあります。
『脊髄は地上と人体をつなぐコンセント(生存意識)』ねている間も意識はあります。

【ねむりと意識】

ねむると,生命維持に余り重要でないとこから徐々に,脊髄の「生存意識」との関係が,
切れてゆきます。
 つまり,「生存意識」が大脳皮質,脳幹の順に引き潮してゆきます (7A図)。
「生存意識」が,橋より上に二度と登ることが出来なくなると,死にいたるのです。

東洋では一般に「死ぬと橋を渡り,あの世にゆく」と伝えられてきましたが,
実はこの橋(キョウ)こそが 「あの世とこの世の橋」 だったのです。

なんて写実的だけど芸術的な表現でしょう。

 いっぽう西洋(キリスト教社会)では「死ぬと光の階段を昇る」とイメ−ジしますが,
階段をのぼれない人間が多いのは,『教え』が原因だといいます。かわいそうですね。


Q:どうしてポジティブ思考じゃダメなの? 日本人の意識にあわないように思います。

A: トンボや蝶が羽化する時は,必ずさかさの姿勢となって脱皮しますね。人間だって
  正常分娩では,母体とは逆さになってでてきます。すると,社会も何もかも,逆さに
  見える,いえ実は本末転倒だと見えてきます。反対に逆子(サカゴ)は難産です。

 「己はポジティブだ。社会の未来も明るい」こんな理解の人は逆子なんでしょうね。

 肥料はくさり切っているほど,良いものです。正常分娩即ち人間が十分に成熟すれば,
 社会や宗教など全てが,本末転倒でくさりきっていたことに気づきます。

  命が脳に秘められた文字であったこと,脳がネガティブ回路が主流 であることなども
 『脳はネガティブに成長するそのシクミこそが,イノチの働きに欠かせない』ことを示
 して,いませんか。ネガティブな「我=エゴ」を宗教や科学で成長させ,立派な昇華体
 にすることこそ,本来のイノチの仕組み なのです。

  もちろん,脳がいつまでもネガティブに固執すれば有害となりますが,少なくとも,
 進化や成長をするためには,特にその最終脱皮期には,特に重要なものといえます。


Q:色を,目や脳は,どうやって見わけるの?

A:目と脳は,たった3つの区別で,すべての色を感じとります。

  つまりわずか3種類の細胞で,すべての色を区別できるわけです。

 1)光があるか無いか。(黒と白,灰色)
 2)青い成分があるかないか(青と反対の成分が,黄色):★赤と青は動脈と静脈の色
 3)赤い成分があるかないか(赤と反対の成分が,緑色) ★   (床屋のシンボル)


Q:小脳って 何をしているところ?

A:小脳は運動脳のホサ役で,人体では 運動の細かい調整 を行います。


  両性類やハ虫類といった下等な生き物では,ぎゃくに大脳は嗅覚のアクセサリ−にし
  かみえないほど,未発達ですから,小脳がほとんどの運動を決定しているようです。


Q:脳のしくみは,男女でどうちがうのですか?

A:回路はまったくいっしょです。ただ女性の脳細胞では,ペアの遺伝子のうち,1本は
  退化していて,もう一本だけが生きています。


  脳から出るホルモンが,全身を司りますが,男も女も,同じホルモンを出していて,
  量もそれほどかわりません。女性は遺伝子のヒビキあいがないので,抽象的な,複雑
  な考えが,得意でないだけのちがいです。でも全身の細胞は,女性のほうがヒビキあ
  いが完全です。脳からのホルモンの受けとめ方(感受性)が女性のほうが優れてます
関連項目遺伝子のヒビキ愛

『脳の重さ』

 脳の重さは一般に,男より女が軽いのは本当です。また脳の重さは,ほぼ進化度と知能に
比例しているのも,本当です。クロマニヨン人やネアンデルタ−ル人が,現代人より重い脳を
もっていて,はるかに高度な文明をもっていたことは,もうあきらかな事実です。

 例外はもっか,ほとんどありません。ちなみに,哲学者・カントの脳も軽かったといいます。


Q:視床や視床下部について,もうすこし教えてください。
A:視床や視床下部は,脳の前半部分にあり,ほとんど説明をはぶいてきました。

 視床とは「見える世界の,床」のことです。プロレスのマット・基盤,のことです。

 社会をみて『なるほど。地球人はこんな社会を作ってるんだ,ここではこうしないと,
 生きてゆけないんだ〜,ずいぶんおかしな所だなあ』とまなぶと,視床が成長します。
 社会のル−ルを知ることが,おかしな社会を変えるための,基盤・基礎だからですね。

  タテマエと本音を見わけなくちゃいけません。カッコよく「自由・博愛・平等」とい
 う西洋的な人間にかぎって,ホンネはいつだって「欲望=エゴ」なのです。

  さて,視床下部とは,視床の命じるままに,体の調節をおこなう部品です。
 欲望を重くみるキリスト教社会の,西洋科学は「視床・視床下部」が中枢だと思いこみ
 ました。当然のなりゆきですが,かなしいですね。ここはただのIC集積回路です。


  SFにでてくるコンピュータ−の中枢には,自爆回路がついてますね?。おなじよう
 に,ここは自爆回路でもあります。昇華の用意がととのえば,さいごにこのスイッチを
 入れます。すると全身の細胞が活発にうごき(高い熱がでて)自由細胞になります(昇
 華)。でも用意ができてないと,全身がただちに焼けこげ,死んでしまいます。

【脳科学者のフシギ】

かんたんに,すばらしい西洋の脳研究の,結果をまとめてみます。

「いったい心は,脳のどこにやどっているの?」「意識・たましいは,どこに?」

「いったい脳のどこで,人間はかんがえているの?」

「インスピレ−ションはどこからきて,どこで受けるの?創造力はどこにあるの?」

「人間は万物の霊長でエライ。大脳は高級な動物にしか,ないのだから,
 人類とほかのほにゅう類の間にも,きっと大きなチガイがありますよね?」

…西洋科学は,こういうシツモンには,今でも,なにも答えをもちません。

といっても,『我』の回路と,体をたもつ自動調節マシ−ン・フィ−ドバック制御系,メ
モリ−回路については,単純な機械ですから,西洋科学でさえ,くわしくわかっています


欲望発電機●(蛇のちから:A十回路=生存意識)
A十は亜獣のヒビキもあります。キリスト教であり,十字軍ですね。

欲と自我がないと,人間は動かないし,成長しません。だから,コンピュータ−でいえば,
電源(コンセント)にあたります。そのボスが『視床』(司教や法王クラス)です。
A十回路は「生きのこらなきゃ(生存意識)」のことで,脊髄を登ってやってきます。


価値判断の部品○扁桃体----ここの1つ1つの細胞は「好き嫌い」の決定をします。
 たとえば,好物のスイカを見ると興奮する「スイカ細胞」が,しられています。
 ★ここには全感覚が入ってきます★。ここが弱いと自閉症ですから,重要な部品です。

 欲でうごく人間は,けっきょく「好き・キライ」が基本で,うごいているんですね。

自然な欲求をおさえつけるネガティブ・フィ−ドバック系

メモリ−回路:フラッシュメモリ−(海馬)とHD(大脳皮質)


【脳と意識】

==<==伊藤正男:日本医学会総会1995での医師向け講義記録から(名大出版社)====

通常「 こころ」 には,認識, 随意運動, 情動, 記憶学習, 意識の5つの成分を考える。

この内「こころ」の中核となるのは意識であり,これが現在最も脳と関係がつけ難い
…脳のどの部分に意識が局在するかはっきりしない。

大脳皮質は外界からの多くの異質の刺激を受取り,別々の場所で処理するが,それ
を再びまとめあげる機構がどこかになければならない。

刺激を受けた大脳皮質で周期40HZの脳波が起こり, この波に共鳴し,機能的に結合
されるという説が提案されている。 しかしまだ…解剖学的な結合を通してまとめあげら
れる可能性も充分残されている。


 意識には…3 つのレベルがある。…自身が何をしているかを自覚し,かつ能動的に外
界に働きかける「自意識」は人間では特に発達し,「心」の中核をなしている。

自意識は脳の最高の働きであるから,脳の中の階層的な構造の頂点にそれを求めよう
とするのは自然な考えである。しかしその様な最高位は一点には収斂せず( メルコム・ヤング) ,
・・・・自意識の座を脳の一小領域の機能に帰することは困難である。
大脳基底核が選択的機構による安定性を, 小脳が適応性を, 大脳辺縁系が目的指向性
を付与し, 生存のためのより優れた機能を発揮するようにしている。

人間の心に特有とされる数々の属性を, 次々とこのロボットにより再現していくと,
最後には自意識があるという段階に達するか否か…まことに興味深い。

 かつて生物と無生物の違いとして想定された「生命力」が結局は否定されてしまっ
たように,機械にない人間に特有のものとして想定されてきた「心」もまた最終的に
は人間という機械の属性になってしまうかどうかの問題である。



 <簡易訳>
 心の中心である意識や,さらに中心の「自意識」は,脳のどこにあるか。
科学者は,それは脳の構造のトップ階級にあるはずだ,と考え1,7世紀以来研究して
きた(セントラルドグマ説)。しかし「現在最も脳と関係がつけ難い…脳のどの部分に意識が
局在するかはっきりしない」。

 とうとう,「脳にはそのような場所はなく,脳波による共鳴こそが中枢の役割を
果しているのだ」という説も出てきている。

 しかも脳学者では「意識」が脳にあるかどうかわからないから「人口知能のロボットが
自意識をもつか否か」 に興味をよせているのが,なさけない実情である。

     (注:日本医学会:ほとんど全ての医師が加盟している権威ある学会)

========================================


 つまりこれは「脳科学者の脳が空っぽ」なのか,「脳とはもともとが空っぽ」 なのか
どちらかである可能性が高いということになるんでしょう。

 そもそも,蟹のあわに似ている所から、癌をcancerと名づけた,
紀元2世紀のギリシアの名医ガレノスは, もともと

「脳の最も重要な部分は,その実質ではなく,水の詰まった空洞(脳室) にあり」と主張し,
ここ1500年も彼の考えが信じられてきたのですが,それを医学者達が,
お粗末な実験で,『虚偽』と片づけたのが,近代の脳研究のはじまりでした。

研究に死体を提供してきたのは,2度にわたる世界大戦でした(悪銭身につかず?)そのせいか,
200年以上にわたる現代脳研究により,言えたのは,けっきょく以下のようにまとめられます。

「意識の場所,考えているか否かは不明。まして心や精神は皆目わからない」

「西洋科学では解明できなかった」その経験こそ,人類の貴重な遺産です。
別にガレノスの主張に先見の明はなく,東洋科学を彼が理解できただけのこと,だったのです。


→1)続く(NEXT)/ /→2)不老不死のトップにもどる
       →3)Niftyにもどる(^_^)/~オツカレsummer〜