<第2章> 竹取物語が秘める不老不死
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中国の不老長寿伝説としては,コウガ伝説が有名です。コウ蛾という女性が,西王母
(天帝の母)の不老不死薬を盗み飲み,月に走り昇天するというものでした。
かたや,有名な古代史書「列子」には,「中国・勃海の東に,世界中の水という水が
注ぐ国あり。そこの蓬莱山に不老不死の秘伝あり」と書かれており,それを信じた徐
福が,皇帝に願いでて来日し,蓬莱山=富士と信じてたずね,和歌山に永眠した史実が
あります。
確かに,日本には世界の海流が集まっており,大陸プレ−トもせめぎあっていて,歴史が
伝える「不老不死の秘伝の残る場」は,日本ということになります。
さて,その日本の上古代から伝わる不老長寿伝説としては,まず竹取物語、ついで浦島
太郎の物語(浦島小伝)をあげることができます(どちらも作者不詳)。
ハネムーン
浦島太郎物語では,乙姫と蜜月状態の太郎は歳をとりませんでしたね。そしてこの
乙姫とは,人体では脊髄液を支配する「脳室(気の海)」にあることをみてきました。
では,竹取物語に秘められた不老長寿法とは何か?
それを解いてゆきましょう。
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松葉は日本のものは2本が多く,これは「人」の形に通じます。
松は常緑 (が多い)
長寿ゆえ,かわらぬ節操の象徴とされます。5月に開花,10月結実。
また松の語源は『公の木』のことで,木は気に通じると,東洋科学でいわれてきました。
松の花粉は止血剤,松ヤニは最近医学で人気の胃薬。松の実や松油は不思議な効能があり,
すでに新幹線の洗浄などにもつかわれています。しぼりかすもパルプとして
有用で,それこそ捨てる所がないほど,おおやけの役にたっています。
それゆえ「おおやけ」意識の象徴と,いえます。
またマツの実は松のメシベとは別の所にでき,羽をもつのが特徴。
この3種の木の中では,もっとも木が高く,庭木の代表。木が高いのは当然すぎるからか
,枝が横に成長するほど,盆栽として珍重され,盆栽の代表でもあります。
竹はイネ科の常緑樹。スクスクと育つ秘密は,節ごとに成長点があるから。(人生の
節目ごとに大きく成長することを暗示)。しかし水の導管が弱いので5ケ月で成長は停止
してしまう。花は10年に一度といわれ,実はなく(不実)根でふえる。中は大きな
空洞(中身がない)。
生命力は著しく,酸性雨で弱った森林の木々を尻目に,竹やぶはふえる傾向にあります。
学名:プラムヌス・ムメ。長崎出島のオランダ学創設者・シ−ボルトが命名。
梅は春に百花にさきがけて花を咲かせ,春に実を結びます。薬用として中国から輸入
し,日本にも定着。実には毒があるので,そのまま食べることはできず,梅干し,梅酒
といった形で,食用にします。特に梅干しは日本独自の文化で,中国では稀な習慣です。
薬効としては,クエン酸の疲労回復効果が,しられています。
植物は一般に葉が茂り,養分を十分に蓄えたのち,開花し実となりますが,梅と桜は
(共にバラ科落葉樹)花と実が先で,葉があと(蓄える前に花咲かせ,たくさん実がな
る)という特徴をもちます。紀州梅が有名で,流通基地の大阪は「梅の都」と呼ばれてきま
した。
こうして「百花に先がける」「蓄えぬ先に花咲き実を結ぶ(自転車操業)」「中国
伝来」「そのままでは毒,干せば良薬」という性質,「大阪が梅の都」ということも
あわせ,梅はエゴイズム・商業主義(過ぎればバブル)・多産の象徴と,とらえられて
きています。
長崎(名が先;俺がおれがの精神の象徴)の出島(垂れ下がった梅の象徴か?)で
ラテン名がつけられたというのも,何と似つかわしいめぐり合わせでしょうか。
〜古来から3種類,3等級を示すのに用いられた〜
梅と松は代表的な庭の木であり,家紋の豊富さも競いあっていますが,竹の家紋は非常
に少ないといえます。
ちなみに中世社会を破壊した,織田信長の家紋が「梅鉢」で,梅を象徴。
「自らが神」になりかわろうとしたほど,エゴが旺盛でしたね。
かたや信長を引きつぎ,長い太平の世を創造したのが「徳川=松平」一族で,松を象徴。
「忍耐深くマツ」の姿勢で信長・秀吉の日本を受けつぎ,円熟した江戸文化を,うみ出
しました。
それゆえ松を最も尊ぶ日本人は,江戸自給自足文化=21世紀の手本,と信じています。
こんなわけで「松竹梅」の順に木(気)は高く「梅竹松」の順に人格は成長します。
梅と松は滅多に戦わないが,戦えば松が勝ちます('98名古屋市長選;梅田と松原の戦)。
ちなみに有識者から珍重される警世の書「日月神示」では,「梅・松」の巻はあっても
竹の巻はありません。これは既に人類のエゴの力による成長期は完了したと,受け取る
のが妥当でしょうか。竹がないことにはどんな深い意味が,隠されているのでしょうか?
『今は昔,竹取りの翁(おきな)という者ありけり。名をば讃岐の造となむいいける』
サヌキとは差を抜くことなので,差取り(悟り)の意味につながります。
ぎゃくに讃岐の字義「分岐を称える」つまり「差の尊重」なくしては,悟りは不可能です。
翁は老人の敬称。公のハネ。なぜ羽根なのか?語源辞典はなにも語っていません。
東南アジアの仏像や神像では,日本の仏像の後光にあたる部分つまり,首すじから羽根
がでていることがわかります。翁が敬称であるのは,土にもどる,平凡な老人でなく,もともと
仙人をさす言葉だったからでしょうか。 即ちエゴが枯れはて,「公」意識となり昇華する
老人を,こうよんだのでしょう。
『もと光る竹なむ一筋ありける…筒の中光りたり。…3寸ばかりなる人、居たり』
人体で竹に似たものといえば,背骨が筆頭であることに異論はないでしょう。
竹の元とは,背骨では仙骨にあたります。仙骨は焼けのこることと,仙骨がないと死ぬ
ことで知られており,「仙骨治療で万病が治る」ことを主張する優れた霊脳者もいるほどで,
仙の字が示すように,神秘の骨であることは事実です。
なぜ3寸(9cm)か?この中にも3月,3日等よく登場し,「神聖数だから」,
雨海教授はそう解いています。竹にまつわる3といえば何といっても「松竹梅」。
ちなみに浦島子伝によれば,地上の300年が,常世の3年,に相当するそうです。
さて「竹の内」にいた時は,姫は成長しなかったが,竹から出されると,異常に早い
成長をとげ成人する。これは「脊髄の空洞(気海)こそ不老不死の統括=乙姫」という
脳を読みといた成果に,一致します。
ちなみに強力な支配中枢=脳は,外界に即した,早い時間(外なる時間)で活動します
が,かたや背骨は,五臓六腑とともに,自律的なゆっくりした時間(内なる時間)で,
はたらくことは,ハリキュウのキソ・東洋医学では自明の事,とされています。
仙骨を治す,ハリキュウで病を治す,カイロプラクティックいずれも「背骨で万病が治る」
とする根拠は,この内蔵の生命エネルギ−原理の正常化にあることも自明でしょう。
こんなわけで,
「竹取り」とは「竹の様な成長を果しおえた」と,「梅&松の間を隔てる物をはぶく」
の,2つの意味にとることができます。
背骨が竹ににる様に,脳の中にも形が「梅や松」に似た所がありましたね。
竹を取り(成長を終え),梅と松の間の邪魔者が無くなり,梅と松が活性化すると,
二つは初めて融合し(不二=富士につながる),富士山と月を結ぶ霊線に乗り不死を
はたす。
乙姫伝説と竹取物語もやはり切っても切れない,表裏一体「不二」の伝説だったの
かもしれませんね。日本人なら誰でも,この2つの物語をしっていますので。
万葉集16巻にすでに竹取翁の話(内容は九人の神仙美女とたわむれる話)
があり,不老不死の竹取物話は聖徳太子伝拾遺抄など,多数の古典にえがかれ,
まるで本来の姿をなくして,分裂してしまったかの様です。ところで現在の竹取物語の
成立は中世初期以前だそうで,空海が散逸した竹取りの断片を集大成し,現在に至るとさ
れます( 旺文社・竹取物語。雨海博洋著)。
<3> この話の中に,「神聖数の三」は10回登場し,最多。
特に「おいたち」の本文中に「三尺,成人式で三日遊ぶ,三月で成人,三室戸」と集中
しています。その他の文章中では「帝と交際三年。三年隠れる,三日で帰る,かまどを三
重に,二・三日見歩く,三・四日風吹く」といった表現がみられ,多くありません。
<5> 3についで,多いのが五で,9回(五は人間の数)
五貴公子の求婚,七月十五日(昇天一月前),八月十五日,五〇〇日,五穀,五十両,
五色玉,翁の歳五十,五尺
【その他の物語】
古代以外にも,不老不死の言いつたえはちらほらあります。例をあげると;
タケウチスクネ(340歳) ,甲賀三郎,役の行者
…。でもいずれも,竹取物語や,浦島
伝説ほどには傍証が少ないものばかりなのが残念です。
「コウガ」「三(郎)」「竹の内」については,
この文章ですでに説明済みです。
偶然でしょうか? つまり,こうした名がすでに,説明した文中に見られるのは,
「松・梅・竹の三位」「ガと公」という言葉が,不老不死のキ−ワ−ドだからでは
ないでしょうか。 (武内と竹内の融合に関しては,余談も参照のこと)
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〜浦島伝以外の乙姫伝説(新潟・愛媛)〜
蓮根をうる貧乏な農夫が,売れないことに腹をたて「竜宮の乙姫様にさし上げます」と,
帰りに海に,投げすてる日が3日続き,とうとう食べものがなくなって,しまいました。
すると乙姫があらわれ,お礼に,この若者の嫁となり,リッチな生活がはじまりました。
それをねたむ庄屋が,季節はずれの蓮の花や,蓮の糸でおった錦をもってこいと,
難題をふきかけ,できなければ乙姫をうばい取るつもりでした。
時間を自在にあやつる乙姫の力で難題をとき,二人はずっと幸せに,暮らしましたとさ。
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『レンコン』=とは何の象徴でしょう? 蓮根は水の中に育ち,中にたくさんの空洞をもち,
節があります。これもやはり人体では,脊髄(せぼね)神経を連想させます。つまり
『脊髄を奉る,つまり大脳で脊髄を支配せず,脊髄と一体になり,まかせると,
時間を自在に操る力があらわれ,幸福を手にいれることができる。』
…を意味するのでは,ないでしょうか?
【余談】〜松竹梅のコトダマ〜
松の字を姓名にもつ人は,ボウヨウとした感じで,みずみずしい肌の人が多い。
月に似て青白い(女性)か,赤黒い(男)。 公職が向いている。「待つ」の姿勢。
竹の字の人は,身長が高いことが多くやせ型。,武(
竹) の字の影響で, 体格がっしり
の人も少なくない。素直な気質の持ち主が多い。しゃがれ声。
梅の字の人は,自己主張(好き嫌い)が明確な事が多い(梅田,◯◯ウメ)
97年は梅の花がすべて下むきに咲き,企業トップや官僚のエゴによる犯罪が
バクロされ,エラい人ほど頭を下げなくてはならない時期でした。つまり
竹は取り去られ,梅は熟しおえ,松の時代=実りの秋,の到来です!!
(立ち枯れ松も多いようで,とても残念なのですが)。
もう全国均一の暑い夏は(日本では),あまり期待できないのかもしれませんね…。
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(^_^)/~~オツカレSUMMER〜